GREAT EARTH かみふらの十勝岳ヒルクライム

大会レポート(2014)

GREAT EARTH かみふらの十勝岳ヒルクライム2014年7月6日開催!

初開催!全国から224名の参加を迎え好評のうち終了しました。

北海道内標高差NO.1の大雪山国立公園十勝岳ヒルクライム、閉ざされた道が再び!!過去20年間以上も閉ざされし道が遂に!森林限界を突破するべく全国より猛者(参加者)が集結!!

7/5(土)大会前日。

大会前日の土曜日は、ヒルクライム初心者向けに講習会を開催。本会場となる上富良野日の出公園駐車場にて、大会メインナビゲーターの白戸太朗、今回ゲスト参加の安田大サーカス団長 安田、MC参加の片岡由衣により行われました。
また、子ども達に自転車の安全な乗り方の指導、そして自転車の面白さを伝えるGREAT EARTH各大会で行われているイベント「サイクルキッズ−親子サイクリング−」を開催。安全なブレーキの掛け方、カーブを曲がるときの体重移動、ゆっくりとまっすぐ走る練習など、大人でもなるほどと思える技術を指導しました。約1時間の講習のあとは、みんなで日の出公園周辺の自然豊な道を親子でサイクリング!!気持ち良いお天気の中、みんなでサイクリングを楽しみました。

夜はプラザトミヤマで「ウェルカムパーティ」を開催。
大会前に参加者同士の親睦をふかめ、大会当日楽しく走れるようにという想いで開催されました。上富良野は、豚肉(中でも豚サガリ)が有名で、美味しい豚肉料理や、旬のふらのメロンなどなど、美味しいお料理をたっぷりと堪能しました。
地元 上富良野のヒストリームービー上映や、GREAT EARTH公式ソング【CANVAS】(キャンバス)を歌うTOCCHI(※AGO23はスケジュールの都合で欠席)が、急遽ソロでサプライズLIVE!! 最後は地元特産品争奪の大抽選会!&ジャンケン大会!(みんな明日大丈夫?って感じるほど)大賑わいの夜をすごしました。

7/6(日)大会当日。

20年間以上閉ざされていた幻のコース、十勝岳ヒルクライムコース。 本大会の半年以上前から準備を進め、とにかく「事故なく無事に終わらせる」が運営側の命題。まだ残雪残るコース上を何度も視察し、危険箇所の洗い出しや、タイムスケジュールの組立・関門、立哨員配置場所の検討、大会開催に伴う交通規制許可申請等など、クリアする課題が山積する中で、一つ一つを確実に乗り越え、この日を迎えました。

全長20km、前半10kmがパレードラン、残り10kmがタイム計測区間(全面交通規制)、最大斜度14%、最大標高差は1,000m超えのまさしく道内最大のヒルクライムコース。 朝もやの中、続々と選手達が集結し、ストレッチ運動や機材チェック、また大会初心者の方は、ドキドキを隠せない様子でスタートの時を待っていました。

コースクリアが確認された後、いよいよパレードランがスタート。
最高のお天気と気温に恵まれた中、雄大な十勝岳を正面に、上富良野の大自然に囲まれたコースを楽しみながらのパレード走行。
選手達は、軽めのギア、少し高めのケイデンスでペダルを回し、アップ走行を兼ねていました。

本コース10km計測開始地点(チェーン脱着所)
ここから、いよいよ計測スタートです。
先頭バイク隊のヘッドライトがカーブから姿を現すと、直ぐ後ろに先頭集団が!
速い人や20代の馬力の良い選手達は、スタートラインを超えた瞬間から闘争本能剥き出しにし、風の如く山を駆け上がっていきます。
続々と選手たちが計測スタートをきる中、大会メインナビゲーターの白戸太朗と団長安田は、一度バイクから降り、全選手がスタートを切り終わるまで、マイクで激励をおくっていました。その後、最後尾で白戸太朗と団長安田がリスタートし、今度は走りながら選手を激励するという離れ業で頂上を目指していきました。

関門…ヒルクライム初心者には恐るべき関所。
ここを制限時間内にクリアできなければ「足きり」になる。
DNF(Do Not Finish)の恐怖があった方も沢山いたと思いますが、なんと!予定していた「足きり時刻」よりも1時間近くも早く全員がクリア!!スタッフもビックリでした!しかし、関門は、まだまだカミヒル!の入り口に過ぎません。。。

計測スタート地点から約6.2kmから始まる斜度12%・約550mの直線坂、通称「心折坂」(しんせつざか)が選手たちの足と心拍に襲い掛かります。
心折坂の洗礼を浴びた初心者ヒルクライマーは、足と心肺を奪われ、バイクから降りてしまう場面も。しかし、再びバイクにまたがり、自分自身と戦っている光景は本当に「胸打つ」ものがありました。

計測開始地点から約7.4km地点
バーデンかみふらのでは、美瑛側から上ってきた選手の家族や応援の方々が通り過ぎる選手に「頑張れ!!」「踏め踏め!!」「負けるな!!」など、沢山の熱い声援をおくり、選手もまたその声援にパワーを貰っていました。
そしていよいよ十勝岳の真骨頂へ…

バーデンを過ぎると道幅が急に狭くなり、斜度も上がっていきます。
ここまででかなり足を消耗してるにも関わらず、十勝岳の本領斜度14%が襲いかかります!!一度足をつくと最後、リスタートする時は一度後退し、体制を整えてからではないと上れないくらい「キツイ」区間に入ります。
特にカミホロ荘前後は、「泣く子も土下座」するほど、体力的・精神的にも追い込まれる「十勝岳最大の山場」区間です。皮肉にも一番辛い区間から見える麓の景色が絶景なのは、神様の悪戯なのだろうか?

ただ、ただ、辛いヒルクライムレース。
しかし、辛く苦しい分以上に、フィニッシュした時の「達成感」や「充実感」、そして「感動」は、ファンライドでは決して味わえない、山を制した者だけが感じられる特別な感覚なのでしょう。
先に着いた選手達が、最後の一人のフィニッシュを、まるで自分の事のように感激していたのは、同じ土俵で戦った者としての敬意と、辛さを共にした「戦友」のような感覚なのだろうか?
惜しみない賞賛の言葉と拍手が十勝岳の森林限界で沸き起こりました。
それは北海道、十勝岳で起こった、歴史上初めてのことなのです。
その事実に選手もスタッフも関係者全員の「心が震えた」瞬間でもありました。
参加選手224名(内2名機材トラブルによる痛恨のDNF)
222名全員が完走!!本当に喜ばしく、驚きの結果でカミヒル!2014の戦いの幕を閉じました。

戦い終えた選手たちは、凌雲閣とカミホロ荘の湯で体を癒し、日の出公園へと下山。カーボンホイールだった選手は下山用の足に入替え、力使い果たした者はバスで下山を。「遠足はお家に帰るまでが遠足です」と、小学生の頃に言われた言葉では無いが、ヒルクライムレースに於いても、実は下山が一番事故が発生しやすく、スタッフも緊張の中、選手達に細心の注意をお願いした。本当に素晴らしい選手ばかりで、ちゃんとスタッフの指示を守り、全員がフィニッシュパーティー会場への下山が無事完了した。
警察からも「素晴らしい大会でした!これなら大丈夫!また来年も頑張ってください!」と、お褒めの言葉を賜りました。

フィニッシュパティーでは、(実は)あまりにも運営がスムーズに行きすぎ、大会日程が巻いて(早まって)しまい、選手の皆様への「ふるまい料理」が遅れ(厳密にいえばオンタイム(予定通り)で調理は進んでたのですが…)待たせてしまう結果になってしまいました…本当にごめんなさい!
しかし参加された選手の皆様には、逆に「初開催だし、期待しないで参加したけど、本当に素晴らしい運営でした!」などのお褒めの言葉を多数賜り、スタッフ一同喜び一入(ひとしお)でした!

予断ですが、フィニッシュパティー後のスタッフ反省会では、感動のあまり号泣者続出。(笑)

こうして、初開催のカミヒル!をみなさんのお陰で無事終えることが出来ました。
そして新しいGREAT EARTH ヒルクライムが、最高の場所「かみふらの十勝岳」で生まれました。
この新しい大会を【ブーム】ではなく【文化】にすべく、今後もみなさんと共に育てていければと思います。
参加していただいた方々、応援していただいた方々、本当にありがとうございました。また来年も山(十勝岳)で会いましょう!!

かみふらの十勝岳ヒルクライム2014フォトギャラリー